先日あるお客様が、こんなことをおっしゃいました。

「”追い込まれたときに本性が出る”と言うけれど……。まさかあの人が、こんなに攻撃的な人だったなんて思わなかった。”これがあの人の本性なの？”と、正直がく然としました。」

普段穏やかで優しい人なのに、ものすごく攻撃的な態度をされて、ショックを受けたそうです。確かに「いざという時に本性が出る」と言いますよね。でもそれが本当にその人の「本性」なのでしょうか。

今日は「本性とは何か？」をテーマに、考えてみたいと思います。

本性とは、追い込まれた時に見えるもの

何かキッカケがあって心が極限状態に陥ると、普段とは違う性質が顔を出すことがあります。いつも冷静な人がパニックになったり、温厚な人が激しく怒ったり。そんなとき、周囲の人は「これがあの人の本性だったんだ！」と決めつけたくなるかもしれませんが、そうではありません。

そういう”一面”を持っている、というのが、自然な解釈なのかもしれません。

人の心は多面的で、普段は意識していないさまざまな側面が眠っています。

・マウントをとりたい。

・批判的になり攻撃する。

・皮肉っぽい言い方をしてしまう。

・恨みを感じる。

・繊細で落ち込みやすい、など。

こうした感情は普段は見えていないだけで、誰の中にも少なからず存在します。

本性は、元々備わっているもの

とはいえ、その人の心の中に強く持っていない性質は、表にでてきません。やはり心の極限状態で現れる性質は、もともと心の奥に眠っていた性質が浮かび上がったものです。

普段は出てこない感情が、何かをキッカケにして強くでてくる。そこには理由があるものです。

もしあなたが極限状態に陥って、いつもと違う自分が顔を出てきたとき。ブラックな感情や言動をしてしまうときは、どうしたらいいのでしょう。

そのような時は、自分の感情に振り回されたり、こんな腹黒い自分はダメな人だ・・と責めたりしないで、自分が許せなかったことは何なのか。こんなに感情が高ぶるのはなぜなのか。その理由を考えてみてください。そこに本性に関わるものがあるはずです。

自分自身の腹黒い本性は、”許せないこだわり”と関係がある。

そこを発見したら、「良い」「悪い」で判断しないで「こんな自分もいるんだな」と、ただそこに気づいてあげるだけでいいのかもしれませんね。

あなたの人生が、穏やかでありますように。いつもあなたを心から応援しています。